今日は黒犬です。
空調の仕事をしていると、いろいろ質問を受けます。
今回はよくある質問ざっくり答えてみます。
目次
よくある質問
冷房、ドライ運転をすると湿度が上がる
上がります
温度が下がれば相対湿度は上がります。
暖房で部屋が乾燥するのは、温度が上がって相対湿度が下がっているからです。
逆に部屋の温度が下がると相対湿度は上がります。
相対湿度が100%を超えると「水蒸気」は「液体の水」になります。
その原理を使って、冷房・ドライ運転時にはドレンホースから大量の水を排水します。
部屋の湿度計が上がっていっても心配無用です。エアコンは部屋の湿度を排水しています。
冷房とドライどっちが電気代が安い?
同じ設定温度なら冷房の方が安い
エアコンの室外機には「圧縮機(コンプレッサー)」があります。
車の「エンジン」に相当するもので、エアコンの電気代のほとんどは「圧縮機」によるものです。
エアコンを運転すると「圧縮機」が運転して、部屋の温度が「設定温度」になると「圧縮機」は停止します。
「圧縮機」が動いている時間が長ければ長いほど「電気代」は高くなります。
なので「冷房は設定温度が高いほど」「暖房は設定温度が低いほど」、「圧縮機」の運転時間が短いので電気代は安くなります。
ドライ運転は「弱冷房」か「再熱除湿」なので設定温度まで下がる時間が長くなるのでその分「圧縮機」も長く運転します。
※実際はインバーターで圧縮機の出力を調整しているので差は少ないですが、分かりやすいようにシンプルに説明しています。
エアコンからゴキブリが出てきた
ほぼ室内にいたゴキブリです
ネットでよく「ドレンホースから進入」「配管貫通穴から進入」と書かれてますが、まずありません。
ルームエアコンの「ドレンホース」は14mmですが、ホースとドレンパンが繋がってる部分の穴は10mm以下です。
わざわざドレンホースから入ってこなくても、他に部屋に進入できる道はいくらでもあります。
散々「ドレンホースの詰まり」を直しましたが、マンションでも多いのが「カナブン」です。
あの人は狭い場所でバックできないので、力強くぐんぐん進みます。
そして一番奥のドレンパンの狭いところで身動きできなくなります。
ハチか何かのサナギがいることもあります。
ほとんどホースの出口付近でパンパンになって死んでいます。
貫通部の穴は「スリーブ」が入っていなくても、住宅の構造上入れません。
4方を塞がれ、断熱材もいます。
ただし、古い住宅はネズミがエアコンの裏に出入りしていたことがあります。
ネズミはパテやスリーブで対策してもすぐに食い破るので厄介です。
ゴキブリはエアコンの水を飲みにきます。
吹き出し口、壁とエアコンの隙間から進入します。
夏場ゴミ屋敷のエアコンを外すと、ほぼ間違いなく何匹も出てきます。
綺麗な家でも、いることがあります。
「外からエアコンに入ってくる」は間違いで「家のゴキブリがエアコンの水を飲みにくる」が正解です。
「内部クリーン」を使ってしっかり乾燥させましょう!
ちなみに、「ハチ」や「蟻」がドレンホースから室内に入ってくることはありません。
運転中にエアコンが止まる?
止まります
エアコンは部屋の温度が「設定温度」になると止まります。(サーモOFF)
室外機を止めて「省エネ」に貢献します。
最近は室内機のファンも止まります。
「湿度を上げないため…」とか説明することもありますが、ただ単に
ファンを止めるとその分電気代が安くなる!というアピールのためです。
室内機のファンはただの扇風機と同じです。少し止めたぐらいでは電気代はしれています。
我々購入者の「電気代を安く!」の声に答えた各メーカーのアピールです。
各社で名称は違いますが、その名を「省エネファン」と言います!
「省エネファン」は切ることもできます。
暖房中には「霜取り運転」になることがあります。
室外機の熱交換器が凍ってしまうと熱交換が出来なくなります。
その時室外機の氷を溶かす「霜取り運転」に自動でなります。
霜取り運転中は暖房が効きません。
運転ランプがゆっくり点滅したりしますが「故障」ではありません。
説明書を見てください。
「人感センサー」がついていると人の動きがない場合エアコンが止まることがあります。
コンビニのトイレの照明が切れる原理と同じです。
これも設定で切れます。
冷房で冷えすぎる。暖房の風が冷たい。
エアコンの風に直接当たっていませんか?
冷房で冷えすぎる、喉が痛くなったり体がだるくなる。
そんな時は、エアコンの風に直接当たっていることが多いです。
「エアコンは設定温度の風が出る」と思っている人は結構多いです。
実際は設定温度が高くても低くても出てくる風の温度は同じです。
冷房で部屋が冷えて運転が安定している時の吹き出し温度は15℃前後です。
そんな風に長時間当たっていたら、体は冷え喉や体調を損ねます。
暖房は部屋が寒くエアコンから遠い場合は、風を冷たく感じることがあります。
どっちにしろ風で直接冷やしたり温めたりするんじゃなく、部屋全体を冷やす・温めるで考えましょう。
最近の上位機種だと人を狙って風送ったり、避けてくれたりします。
しかしそれなりに高いので、扇風機を上手に使うと快適に過ごせます。
設定温度は何度がいいの?
答えようがありません
気温・湿度・環境・人数によって全く違います。
「昨日は27℃で快適だったのに今日は全く効かない!」なんて言われることがありますが、昨日と今日では条件が違います。
テレビなどで「エアコンの最適な温度は〇〇!」と言うのはいかがなもんかと思います、それをありがたく鵜呑みにする人も同じです。
人それぞれ感じ方も違うし、周りの環境も違います。
暑ければ設定温度を下げる
寒ければ設定温度を上げる
本当にこれしかないのです。
「テレビで言っていたから」「役所が言っていたから」で頑なに28℃で使って不愉快に暑い思いをしても意味がありません。
快適な温度で過ごして、無駄遣いを減らして節約するほうが健康的だと考えます。
エアコン付けっぱなしと、まめに切るのとどっちがお得?
使わない時は切ってください!
これが無駄遣いです!切りましょう!
部屋から出るならエアコンは切りましょう。
可能なら窓を開けて換気しましょう!
「におい」「カビ」「汚れ」「健康」全てにおいて換気が一番です!
トータル的にコスパは最高です。
フィルターの掃除の頻度は?
これも一概に言えません
環境・人数などで、全く違います。
少なくとも冷房・暖房の始めの運転の前に掃除することをお勧めします。
使っていない時間に積もったホコリも掃除しましょう。
あとは使いながら頻度を見るしかありません。
エアコンの風切り音が大きくなった、ゴウゴウ音がする時はフィルターが詰まってます。
「自動フィルター掃除機能」はホコリしか掃除できないので、時々パネルを開けて確認してください。
まとめ
電気代で考えるなら、「冷房・暖房を風量自動」で使うのが一番お得です。
しかし、「電気代が」と気にしすぎないで快適に使うことが大事です。
快適が目的のものですから。
エアコンをつけると部屋を締め切りがちになりますが、人にもエアコンにも「換気」が大切です。
上手に「換気」と「便利機能」を使いこなして、快適にエアコンを使ってください。
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ありがとうございました。