現在「フロン排出抑制法」という厳しい法律があり、ガス漏れの原因を直さないとフロンガスの充填ができません。
「ガス漏れの箇所」を探すのは、あっさり見つけることができる時もあれば、ハマるとなかなか見つけることができないことがあります。
ガス漏れの事例をいくつか紹介したいと思います。
油を探せ!
エアコンの配管の中は「フロンガス」と一緒に「冷凍機油」という「油」が一緒に流れています。
「フロンガス」が漏れると一緒に「油」も噴き出します。
なので、エアコンの「室内機」「室外機」「冷媒配管」に油っぽいところがないか?と目視で探すことから始めます。
フレアナット
フレアナット部はガス漏れの多い場所です。
締め付けが弱いとガスが漏れるし、強すぎても「フレアナット」が割れたり「フレア面がよじれて」ガスが漏れます。
溶接部
溶接部も「ガス漏れ」の多い箇所です。
ピンホール状の穴が開いていることがあります。
振動が大きい箇所では弱いところが裂けることもあります。
熱交換器
熱交換器のガス漏れは、「熱交換器のフィン」に油じみができることが多いのでしっかり目視で確認します。
接触摩耗
圧縮機やファンでエアコンは運転中に振動しています。
冷媒配管が接触している部分は少しずつ摩耗していき、最後には穴が空いてしまいます。
配管同士が接触している箇所は漏れが多いです。
配管ラックの穴部分や、天井の親バー・Mバーに乗っている部分も接触摩耗を起こします。
電食
冷媒配管と断熱材の間に「結露
水」が溜まって「電食」で配管が腐食することがあります。
配管が真っ黒になり、油まみれになります。
室外機近くの、一番低い箇所で起こることがほとんどです。
電食を防ぐには
断熱材の端をコーキングでシールしたり、結束バンドで縛ります。
一番低い場所に切り込みを入れて、結露水が抜けるようにします。
フロン検知機
油じみを見つけた時には「フロン検知機」で確定させます。
油じみが見つけられない時にも「フロン検知機」で探すことができます。
上記した「怪しい箇所」を検知機で検知器で辛抱強く探すことになります。
石鹸水
古典的に「石鹸水」も有効です。
最後の手段「窒素」
どこにも「油染み」が無く、「フロン検知器」も反応しない。
完全にハマってしまいましたね。
では「窒素」で圧をかけましょう!
室外機の「ガスバルブ」「液バルブ」をしっかり閉めて、「室内機側」「室外機側」に「圧力計」をそれぞれ付けてエアコンの耐圧内で圧力をかけます。
少しずつ圧力をかけると、配管内に残っているフロンガスで「検知器」が反応します。
反応がない場合でも、最悪「室内機側」か「室外機側」かの特定はできます。
レアケース
窒素を張っても圧力が落ちない!
こんなレアケースもあります。
「チェックジョイント」や「ガス・液バルブ」でガスが漏れている場合です。
「チェックジョイント」に圧力計を取り付けたり、「バルブ」を全閉にするとガス漏れしなくなります。
一昔前に流行った、「蓄熱式」なら「蓄熱槽」の水が酸性になっていたら簡単に配管に穴が開きます。
まとめ
昔の車のエアコンと違い、家庭用でも業務用でもガス漏れの原因を修理しないとガスは漏れ続けます。
「ガス漏れのような症状」の原因はガス漏れ以外にも結構あって素人が判断することは非常に難しいです。
「ガスが無いから補充してほしい」と言われて実際、ガス漏れだったケースは今のところありません。
素人の「ガス漏れ」を信じるべからず。
実際のガス漏れ調査は、あっさり見つかることもあれば、ハマりにハマることもあります。
ハマった時は大ベテランの勘にすがることも多いです。
エアコン修理の「魔宮中の魔宮」ガス漏れ。ご多幸をお祈りします。