エアコンのエラー「ドレン異常」  ドレンポンプ・ドレンパンの清掃

冷房シーズンになると、一番多いかもしれない修理依頼が「ドレン異常」です。

「ドレン異常」は、「ドレンポンプ(ドレンアップメカ)」の付帯しているエアコンのドレンパンが満水になった時に出るエラーです。

エラー「ドレン異常」の原因

「ドレン異常」発生時には次の原因が考えられます。

・ドレン配管のつまり

・ドレンパンの汚れ

・ドレンポンプ・センサーの故障

ドレン配管のつまり

ドレン配管が詰まると排水されないため、「ドレン異常」エラーが出ます。

ドレン配管が完全に詰まっていない場合でもエラーが発生することがあります。

一番簡単な判定法は「ドレン配管を掃除機で吸う」です。

掃除機の吸い込み具合でドレン配管のつまり具合が分かります。

同時に解決法にもなります。

窒素等で圧力をかけて吹かす方法はお勧めしません。

ドレン配管は複数の室内機が共有している場合が多いので、圧力をかけた瞬間に室内機から水が吹き出して地獄絵図となります。

ドレン配管の勾配が悪い場合は修正が必要です。

※注意 水を吸える掃除機が必要です!

エアコンのドレン配管(排水管)の考え方・施工方法

ドレンパンの汚れ

「ドレン異常」のほとんどの原因が「ドレンパンの汚れ」です。

ドレンパンを外すと、内部にはプルプルとしたゲル状のスライムやフィルム状に剥離した汚れがいます。

これらがドレンポンプの吸水部を塞いで満水になり、エラーが発生します。

解決法はドレンパンの清掃、エアコンクリーニングです。

ドレンポンプ・ドレンセンサーの故障

「ドレンポンプ」が故障すると、排水しないのでそのうち「満水」になりエラーが発生します。

「ドレンセンサー」が故障すると満水じゃないのに「満水」の異常を出してエラーが発生します。

逆に「満水」なのに反応しない場合は、ドレンがオーバーフローします。

 部品の交換が必要です。

ドレンパン清掃の注意点

「ドレン異常」のほとんどの原因は「ドレンパンの汚れ」です。

解決するには「ドレンパンの清掃」が必要です。

ドレンパンを掃除するのと同時に、他の原因を潰していきます。

ドレンパンを外す

ドレンパンを外すと、ドロドロとしたスライムや汚れがあります。

この時に、「全くドレンパンが汚れていない」 「タプタプの満水」の場合はドレンポンプの異常かドレン配管の詰まりが考えられます。

ドレンポンプや熱交換器の下にもスライムや汚れが付着しています。

(水が吸える)掃除機でスライムや汚れを吸い取ってしまいます。

特に熱交換器のスライムは綺麗に掃除しましょう。

熱交換器は水をたっぷり含んで、いつまでも水滴がポタポタ落ちるので掃除機で吸っておくとストレスになりません。

熱交換器の汚れが酷い場合は「エアコンクリーニング」を提案します。

ドレンポンプを分解清掃する

ドレンポンプは必ず、分解し掃除します。

まずは排水のゴムホースを外します。

結束バンドを切って外します。

樹脂製のジャバラのホースの場合もあります。

ドレンポンプのカバーを外します。

二箇所ある爪の片側をマイナスドライバーなどで外して、グイッと開きながら回転させると外せます。

この方法は時短に役に立ちますが、劣化していたり力が強すぎるとカバーの爪が折れるので、時間がある時は台座ごと外して二つの爪を外します。

ポンプの羽の部分、吸入・排出の穴の部分も忘れずに汚れを拭き取ります。

写真右下の「フロートセンサー」も掃除します。

ドレンセンサーが「フロートセンサー」ではなく、ヒーター式のセンサーの場合があります。

その時はカバーを外して汚れを掃除します。

エアコンに残っている「排水のチューブ」をしっかり掃除機で吸っておきます。

この吸い込み具合で「ドレン配管のつまり具合」が診断できます。

ドレンポンプの組み立て Oリングと爪を確実に!

組み付けは簡単で爪をカチンとかければOKです。

この時に大事なことは「Oリングをきちんと装着する」 「カバーの爪を二箇所確実にはめる」ことです!

Oリングを忘れていたり、爪が掛かってなかった時は吸い込んだドレンをドレンパンの中に排水してしまい、「ドレン異常」になります。

必ず確認しましょう!

そして組み終えたポンプがスムーズに回るか必ず確認します。

結束バンドの先などでクルクル回してみます。

Oリングやカバーがポンプの羽に当たって「回らない」 「異音がする」ことがあります。

エアコンを全て組み終えた後では二度手間になるのでここで確認します。

排水ホースの結束バンドも忘れずに!

ドレンパンの掃除

ドレンパンを掃除するには、ホースで水洗いが一番です。

水洗いできない時は、バケツなどにドレンを移してウエスで掃除していきます。

通水テスト

ドレン関係を触った時や、工事の試運転時には「通水テスト」が必須です。

ホームセンターなどで手に入る「農薬の散水ポンプ」が非常に便利です!

ただし、そのままでは水を「噴霧」してしまうので、先っちょのノズルを外すか切って、ベンダーなどで曲げて使います。

吹き出し口から確実にドレンパンの中に水を入れましょう!

この「通水テスト」でドレン配管の繋ぎ忘れや、コネクターの差し忘れ・差し間違いの確認ができます。

「通水テスト」なしで繋ぎ忘れ・差し忘れがあると確実に数時間後に呼び出されます。

ドレンスライム・汚れについて

ドレンスライム・汚れは、そのエアコンの使用頻度と環境に完全に依存します。

同じ頻度・環境であれば、同じタイミング・量のスライムと汚れが発生します。

2年に一回「ドレン異常」が出るのならその都度「ドレンパンの清掃」が必須になります。

「スライム・スケール抑制剤」も存在しますが効果は短期間で、長期にわたって効果があるものが出たらエアコンメーカーはすぐに採用すると思います。

経験的に「人数の多い空間」「換気の悪い空間」のエアコンがスライム・汚れが多い印象です。

エアコンの「3密」ですね。

まとめ

「ドレン異常」の発生するエアコンは「ドレンポンプ」と「ドレンセンサー」が付帯しているエアコンです。

「ドレンポンプ」のないエアコンのドレンパンが「満水」になるとエラーを出さずにオーバーフローしてエアコンから水が出ます。

ドレンポンプの無い「ルームエアコン」「壁掛け」「天吊り」「床置き」でもオプションや別売の「ドレンアップメカ」が装着できます。

この場合でも、「ドレンアップメカ」が満水になるとエラーが出るようにインターロックを取ります。

「ドレン異常」のほとんどが「ドレンパンの汚れ」です。

ドレン異常時にはドレンパンを掃除して、複数の原因がないか確認していきます。

「ドレンパンの汚れ」の原因になる「スライム・汚れ」はエアコンを使用していくと必ず発生します。

発生の大きさは「環境・頻度」が全てです。

個人的には「換気をしながらエアコン使用」は賛成派です。

(エアコンを運転したら、窓とドアを閉めなきゃいけないと信じてる人が多い)

僕は家のエアコンを運転している時も、ドアや窓を開けています。

換気がいいと「スライム・汚れ」は抑制されると経験的に感じています。

ありがとうございました。