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エアコン工事を始めた方や、DIYでエアコンを取り付け、交換したい方にもわかり易くルームエアコンの取り付け方を紹介します。
ルームエアコンのバックハンガー(裏板)の取り付け方を説明します。
バックハンガーとは?
バックハンガー(裏板)は、壁にルームエアコンを固定する基礎になる板のことです。
バックハンガーの取り付け次第で、設置場所、傾き、施工のしやすさ等が決まります。
ポイントは、水平、確実な固定 です。
エアコンを取り付ける位置を決めよう
最初に据付工事説明書を見ましょう!
注意するポイントは天井との隙間です。
ほとんどのルームエアコンは上側から空気を吸い込むので、この隙間が狭いと空気を吸い込む量が減って吹き出し温度が下がってしまい、吹き出し口やルーバーが結露します。
左右の隙間は修理時にサービスマンが苦労するだけで、ベタ付け可能です。
取り付け位置の下にカーテンレールや棚がある場合は、噴き出しルーバーが接触しないようにします。
ルーバーが途中で止まっちゃうと、エラーが出るメーカーもあります。
天井からの高さは80mmから100mmにすることが多いです。
一台追加であれば既存のエアコンに合わせたり、複数台の取り付けならば高さを統一します。
ドレン配管(排水)が詰まると、室内機から水漏れします。
電気製品の真上は避けるか、電気製品を移動しましょう。
理想は、部屋の長手にエアコンの風が流れればいいのですが、付くところにしか付かないのが実際のところです。
バックハンガーを壁に固定します
新品のエアコンからバックハンガーを外します。
バックハンガーの下側は、室内機の爪に引っ掛かっています。
三菱電機以外のメーカーは爪の部分を押し上げて外します。三菱電機は爪を引き下げて外します。
上側は大きな爪に引っ掛かっています。
室内機を取り付けるときに、この爪に引っ掛けるので天井との隙間が無いと引っ掛けることができません。
バックハンガーには、配管穴の位置と室内機の端っこがどこになるのかが書いてあります。
左側にも本体端までの距離と、左配管用の穴位置の距離が書いています。
交換などで、穴がある場合は穴の位置を中心にバックハンガーの位置を合わせます。
穴がない場合は、穴をあけたい場所に柱や梁がない位置を選びます。
コンコンとノックして音で下地を探したりしますが、「下地探し」があると確実です。
左右が決まれば、高さを決めます。
穴があれば穴の下端から、5mmから10mmほど下にバックハンガーの下端を合わせます。
穴がない場合は、天井からバックハンガーの上端の距離を他のエアコンに統一します。
左右は、室内機をバックハンガーに引っ掛けた後でも、1cmずつぐらいは動くのでミリ単位までこだわらなくても大丈夫です。
バックハンガーのセンターの穴(かけ穴)にビスを打ち、水平を出します。
「排水側に少し勾配をつけろ」と言われますが、排水口が下についているので、水平でも何も問題ありません。
バックハンガーには、「水平器を乗せる爪」が付いています。
水平器を選ぶときは、「爪にかかる長さのあるもの」「磁石が付いているもの」「落としてしまっても床や家具を傷つけないプラッチックのもの」を選ぶと良いです。
ポイント 天井は水平じゃありません!
完全に水平な天井は真ん中が下がって見えるので、天井の真ん中は実は少し高くなっています。
天井からの距離と、水平器の傾きの両方を見てバランスを取ります。
室内機は天井に近いので、お客さんは天井との並行を見て「傾いている」と感じます。
天井に合わせて、水勾配が取れそうなら天井に合わせます。
逆勾配になるなら水平にして、施工中か施工後にお客さんにきちんと説明します。
石膏ボードには「ボードアンカー」を使う
ほとんどの住宅の壁は「石膏ボード」です。
石膏ボードにはビスが効きません!
石膏ボードにエアコンを固定するには「ボードアンカー」が必要になります。
確実性、万が一の落下防止の面からこのタイプの「ボードアンカー」を、各メーカーは使用するように推奨されています。
施工のしやすさでは「ねじ込み式」「打ち込み式」が勝りますが、エアコンを固定するには弱いです。
ねじ込み式、打ち込み式はこんなやつです。
重量の軽い、スイッチなどを固定するときには重宝します。
固定位置は、上部2箇所 下部の爪がかかるところ2箇所の 4箇所です。
うるさら等の大きく重たい機械は、上側の固定を増やします。(下部は基本、爪のところ2箇所)
ダイキンはビスの位置をバックハンガーに矢印が付いています。
アンカーを打つ場所にマジックなどで印をつけます。
印の位置にドリルで6mmから7mmの下穴を開けます。
ドリルが無くても大丈夫です。
「プラスビット」の6角形の部分は6.35mmなので、ビットで穴を開けちゃえばボードアンカー用のピッタリの穴が開きます。
僕の使う「ボードアンカー」は下穴不要の優れものなのですが、心が乱れていると失敗するので下穴を開けて使用しています。
下穴に「ボードアンカー」を入れてビスを締め込むと「アンカーの爪」が開きます。
そしてビスを抜き取ります。
インパクトで締め込んで爪を開く場合、締めすぎるとビスがねじ切れることがあります。
手応えと音で判断します。
速さと確実性なら「ボードアンカー専用ツール」があれば便利です。
使っているプラスビットにワンタッチで「下穴用のキリ」を取り付けできる、「ビットジョイント」はなかなかお勧めです!
全てのアンカーがセットできたら、再びバックハンガーを取り付けてアンカーにビスで固定します。
ポイント 必ず水平器で確認しながらビスで固定すること!
アンカーの下穴が微妙にズレていたりして、ちょっとのことで水平の角度は変わります。
最後のビスまで、水平器で確認しながら締め込みましょう。
下地(木)がある場合は、エアコンに付属のビスでOKです。
まとめ
バックハンガーを壁に固定した後で、左右は(1cmずつぐらい)なら動かせますが、傾き(水平)は後から調整は効きません。
壁が石膏ボードの場合は、「ボードアンカー」で確実に固定することが大切です。
ここで横着すると後で必ずビスが抜けてきて、室内機が倒れてきたり最悪落下します。
左配管の場合、施工中にビスが抜けます。
アパートなどで、まれに石膏ボードの裏に「薄いベニア板」が貼っている時もあります。
「ビスが効いた!」と思いがちですが、引っ張ると抜けてしまいます。
バックハンガーを取り付けるポイントは
水平と確実な固定です。
これを後から直すのは大変ですよ!
ありがとうございました。